教えているのにスタッフが育たない?「教えすぎる上司」がやってしまうこと
エステサロンのスタッフ教育・新人教育で、こんなお悩みはありませんか?
- 「何度教えても、また同じことを聞いてくる」
- 「言われたことはできるけれど、自分で考えて動いてくれない」
- 「新人スタッフにもっと主体的に動いてほしい」
- 「結局、店長の私が全部判断しなければならない」
- 「スタッフを育てたいけれど、教える時間がない」
エステサロンのオーナー様や店長・管理者の方から、よく伺うお悩みです。
実は、スタッフが育たない原因は、「教え方が足りない」ことではなく、「教えすぎている」ことかもしれません。
「分からない」と言われると、すぐに答えを教えていませんか?
例えば、スタッフから、
「店長、このお客様にはどのコースをおすすめしたらいいですか?」
と聞かれたとします。
そのとき、
「このお客様なら○○コースでいいよ」
と答える。
もちろん、間違いではありません。
忙しいサロンなら、答えを教えたほうが早いこともあります。
でも、これを繰り返していると、スタッフは次第に、
「分からないことがあったら、店長に聞けばいい」
という状態になっていきます。
そして、別のお客様が来店したときも、
「この場合はどうしたらいいですか?」
と聞いてくる。
また店長が答える。
またスタッフが覚える。
でも、少し状況が変わると、また聞いてくる。
これでは、いつまで経っても「自分で考えて判断できるスタッフ」には育ちません。
スタッフを育てるのは「答え」ではなく「考える経験」
では、先ほどの質問に対して、こんなふうに返してみたらどうでしょう。

「○○さんは、このお客様のお悩みをどう捉えたの?」
「お客様は、最終的にどうなりたいと言っていた?」
「その希望を考えると、どんな提案が合いそう?」
いきなり答えを教えるのではなく、質問をするのです。
するとスタッフは、自分の頭で考え始めます。
「お客様は乾燥が気になると言っていました」
「でも、一番気にされていたのは、来月の結婚式だと思います」
「だったら、こちらのコースのほうが合うと思います」
この経験が積み重なると、
「自分で考えて判断する力」
が育っていきます。
「もっと自分で考えて!」では、人は考えられません
スタッフに、
「もっと自分で考えて!」
と言っていませんか?
実は、この言葉だけでは、スタッフは何をどう考えればいいのか分からないことがあります。
必要なのは、
考え方を教えることではなく、考えるための質問をすること。
例えば、
「あなたはどう思う?」
「そう考えた理由は何?」
「ほかにはどんな方法がある?」
「お客様の立場だったらどう感じる?」
「今回の経験から、次は何を変えたい?」
こうした質問によって、スタッフは少しずつ自分の考えを言葉にできるようになります。
実はこれ、私の「魔法のコーチングシート」と同じ考え方です
私がエステサロンのカウンセリング研修でお伝えしている、
「魔法のコーチングシート」
は、お客様の「なりたい未来」を質問によって引き出していくためのオリジナルメソッドです。
そして、この考え方は、スタッフ教育にも応用できます。
なぜなら、
「答えを与える」のではなく、「本人の中にある答えを引き出す」
という考え方は、どちらにも共通しているからです。
お客様には、
「どうなりたいですか?」
と問いかける。
スタッフには、
「あなたはどうしたいと思う?」
と問いかける。
相手は違っても、本質は同じです。
相手が自分で考え、自分の言葉で答えを出す。
そこに成長が生まれます。
ただし、「何でも質問すればいい」わけではありません
ここは大切です。
スタッフが新人の場合、何の知識もない状態で、
「あなたはどう思う?」
と聞かれても答えられません。
だからこそ、管理者には、
「教える」と「考えさせる」の使い分け
が必要です。
新人には、まず基本的な知識や技術を教える。
そのうえで、
「では、このケースならどうする?」
と考えてもらう。
さらに、
「なぜそう考えたの?」
と理由を聞く。
そして最後に、
「次に同じケースがあったら、どうする?」
と未来につなげる。
これを繰り返すことで、
「教えてもらったことを覚えるスタッフ」から「学んだことを使えるスタッフ」へ
成長していきます。
エステサロンの人材育成で大切なのは「店長が答えを持つこと」ではない
サロンが成長していくと、オーナーや店長だけが判断することには限界があります。
- 予約が増える。
- スタッフが増える。
- お客様の悩みも多様になる。
そのすべてを店長が判断していたら、店長自身が疲弊してしまいます。
だからこそ、
「私が答えを教えなくても、スタッフが自分で考えて判断できる」
状態をつくることが大切です。
これは単なるスタッフ教育ではありません。
サロンの自走力を高める人材育成です。
今日からできる「教えすぎない」スタッフ教育

今日から一つだけ、やってみてください。
スタッフから、
「どうしたらいいですか?」
と聞かれたら、すぐに答えを教える前に、
「あなたはどうしたらいいと思う?」
と聞いてみる。
そして、答えが出てきたら、
「どうしてそう思ったの?」
と、もう一つ質問する。
それだけでも、スタッフとの会話は変わります。
最初は、
「分かりません」
と言われるかもしれません。
でも、そこで答えを全部教えるのではなく、
「じゃあ、まず分かっていることを整理してみようか」
と一緒に考える。
その小さな積み重ねが、スタッフの「考える力」になっていきます。
「教える上司」から「育てる上司」へ
スタッフ教育で大切なのは、
どれだけたくさん教えたか
ではありません。
最終的に、
「自分で考えて行動できるようになったか」
です。
エステサロンのオーナーや店長が、すべての答えを持っている必要はありません。
むしろ、
スタッフ自身が答えを見つけられるように質問できる上司
になること。
それが、これからのサロンの人材育成には必要なのではないでしょうか。
「教えているのに、なかなかスタッフが育たない」
そう感じたときは、教える量を増やす前に、
「私は、スタッフに考える機会を与えているだろうか?」
と、一度振り返ってみてください。
もしかすると、スタッフが育つきっかけは、
新しい知識を教えることではなく、
上司から投げかけられた、一つの質問
なのかもしれません。