「お客様を大切にして」と教えても、スタッフの接客が変わらない理由
「お客様を大切にしましょう」
「もっとお客様のことを見てね」
「一人ひとりに寄り添った接客をしましょう」

スタッフ教育をしていると、こんな言葉を使うことがあると思います。
もちろん、どれも大切なことです。
でも……
それだけでは、なかなかスタッフの接客は変わりません。
なぜでしょうか?
それは、
「お客様を大切にする」という言葉が、抽象的だからです。
「大切にしてね」だけでは、何をすればいいかわからない
例えば、店長がスタッフに
「もっとお客様のことを見てね」
と伝えたとします。
すると、スタッフによって「見る」の意味が違います。
あるスタッフは、
「お客様とたくさん会話すること」
だと思うかもしれません。
別のスタッフは、
「丁寧な言葉遣いをすること」
だと思うかもしれません。
また別のスタッフは、
「前回の話を覚えておくこと」
だと思うかもしれません。
どれも間違いではありません。
でも、本当に必要なのは、
「お客様を見る」とは、具体的に何を見ることなのか?
ここを共通言語にすることです。
接客が上手なスタッフは、何を見ている?
私がサロンの現場で大切だと感じるのは、
「何を話すか」だけではありません。
「何に気づいているか」です。

例えば、
・いつもより表情が暗くないか
・前回と何か変わっていないか
・会話の中に生活の変化がないか
・以前話していたことに、その後変化があったか
・今日のお客様のテンションはどうか
・帰るときの表情はどうか
こうした小さな変化を見ているかどうか。
同じお客様を担当していても、
「施術をする人」と
「その人自身を見ている人」
では、接客が大きく変わります。
「気づいて」ではなく、「ここを見る」を教える
スタッフ教育で大切なのは、
「もっと気づいて!」
と言うことではありません。
それよりも、
「今日、この3つを見てみよう」
と具体的に伝えること。
例えば新人スタッフなら
① 来店したときの表情
② カウンセリング中に出てきた変化
③ 帰るときの表情
まずは、この3つだけでもいい。
そして施術後に、
「今日のお客様、前回と何か違った?」
と振り返る。
すると、
「そういえば、今日はいつもより静かでした」
「前回話していた旅行に行ったみたいです」
「最後は最初より笑顔になっていました」
など、
少しずつスタッフの「見る力」が育っていきます。
接客が上手な人の「感覚」を、教育に変える
サロンには、
「なぜかお客様に好かれるスタッフ」
がいます。
お客様の変化によく気づく。
ちょっとしたことを覚えている。
タイミングよく声をかける。
必要なことを自然に提案できる。
こういうスタッフを見ると、
「センスがあるんだろうな」
と思ってしまいます。
でも、そのままでは教育できません。
なぜなら、
「センスを身につけて」とは教えられないからです。
だからこそ、
そのスタッフが無意識にやっていることを分解する。
「何を見ていたの?」
「どうしてその声かけをしたの?」
「お客様のどんな変化に気づいたの?」
「その提案をしようと思った理由は?」
ここを言葉にしてもらう。
すると、
個人の感覚だったものが、スタッフ全員で共有できる「接客の基準」になります。
「接客ができる人」を育てるのではない
私は、
「接客ができるスタッフを育てる」
というより、
「お客様を見る視点を持ったスタッフを育てる」
ことが大切だと思っています。
話し方や言葉遣いは、もちろん必要です。
技術も必要です。
カウンセリングのスキルも必要です。
でも、それらの土台にあるのは、
「この人のことを、もっと知りたい」
という関心です。
その気持ちがあるから、
「今日はどうしたんだろう?」
「前回と違うな」
「そういえば、あれはどうなったかな?」
と、お客様を見るようになる。
そして、その「見る」が、
声かけになり、
気遣いになり、
提案になり、
「この人にお願いしたい」
につながっていきます。
サロンの接客レベルは、スタッフの性格だけでは決まらない
「うちのスタッフは気が利かない」
「もっとお客様を見てほしい」
そう感じることがあるなら、
一度、
「そのスタッフに、何を見るのかを具体的に教えているだろうか?」
と考えてみてください。
できるスタッフに任せているだけでは、
その人が退職したときに、接客のレベルも一緒に落ちてしまいます。
反対に、
「お客様を見る視点」を教育として仕組みにできれば、
接客は個人のセンスだけに頼らなくなります。
お客様を大切にするサロンは、「大切にして」と言わない
「お客様を大切にしましょう」
という言葉を、スタッフに伝えることは大切です。
でも、その先がもっと大切。
何を見ればいいのか。
何に気づけばいいのか。
気づいたことを、どう行動につなげるのか。
ここまで具体的にして初めて、
「お客様を大切にする」
がスタッフの行動になります。
そして私は、
サロン教育とは、技術や接客のやり方を教えるだけではなく、「お客様を見る視点」を育てること
だと思っています。
あなたのサロンでは、
「お客様を大切にしてね」
の先にある、
「じゃあ、具体的に何を見る?」
まで、スタッフに伝えていますか?
スタッフに何を教えればいいのかわからない
そんなサロン経営者の方へ。
私がこれまで現場で見てきた、
「スタッフが育つサロン」と「なかなか育たないサロン」の違いを、研修の中でお伝えしています。

「うちのサロンの場合は、何を見直したらいいんだろう?」
そう感じた方は、ぜひ研修内容をご覧ください。