「体験だけのお客様」はいない!
あなたのその「色眼鏡」、外しませんか?

「〇〇ピーリング毛穴撃退フェイシャル ¥22,000→78%オフ ¥4,900」
クーポンサイトで、このような「お試し価格」を打ち出しているサロン様も多いことでしょう。なぜなら、どんなに素晴らしい技術や想いがあっても、まずはお客様に「知って」いただかなければ始まらないからです。
私たちのサロンが、どんな場所で、どんなスタッフがいて、どんな感動を提供できるのか。その価値を知っていただくための、大切な「きっかけ」ですよね。
しかし、この「きっかけ」でご来店されたお客様に対し、私たちは本当の意味で向き合えているでしょうか?
カウンセリング後、「あのお客様は、体験だけが目的だったみたい…」と、ため息をついていませんか?
今日は、そんな「体験だけのお客様」という幻想を打ち破る、少し視点を変えたお話。
【5000年前から続く、人間の「もっと」という願い】
少し歴史を遡ってみましょう。
今から約5000年前の縄文時代、人々は物々交換を始めました。自分の村では手に入らない貝を、別の村のイノシシの肉と交換する。それは、生きるためであると同時に、「もっと良い暮らしをしたい」「もっと豊かな生活を手に入れたい」という、人間の根源的な希望の表れでした。
この「もっと」という希望こそが、人を行動に移させる、ワクワクする力(快)の源泉なのです。
では、現代に話を戻しましょう。
お客様が、豪華なランチを食べられる4900円というお金を、あえて「エステ」に使うと決めた。これは、一体どういうことでしょうか?
【4900円の裏にある、お客様の「本気の期待」】
お客様は、「安いから来た」のではありません。
「4900円」という投資で、「もっとキレイになりたい」「今の自分を変えたい」という、5000年前から続く人間の「もっと」という本気の願いを叶えに来てくださっているのです。
4900円は、その期待への、ほんの入り口に過ぎません。
それなのに、カウンセラーが「体験だけだったみたい」「反応が薄かった」と感じてしまうのは、なぜでしょうか?
それは、もしかしたら私たち自身が、お客様に対して「色眼鏡」をかけてしまっているからではないでしょうか。
【あなたの「色眼鏡」が、お客様の心を閉ざしている】
「今日は体験だけのつもりで来ました」と、過去に言われた経験。
質問をしても、反応が薄かった経験。
そんな記憶が、「クーポンのお客様=購入意欲が低い」という無意識の「色眼鏡」を作ってしまっていませんか?
「どうせこのお客様は、コースは契約しないだろう」
そんな色眼鏡をかけたまま接客すれば、その思いは必ずお客様に伝わります。
お出迎えの笑顔はどこかぎこちなくなり、カウンセリングの声のトーンも下がり、施術中の気配りも疎かになる…。
お客様が心を開かないのは、当然の結果です。
【まず、その色眼鏡を外すことから始めよう】
成約率を上げるためのテクニックを学ぶ前に、私たちがまずすべきこと。それは、その曇った色眼鏡を外し、お客様への向き合い方を根本から変えることです。
心からの「感謝」を伝えていますか?
数あるサロンの中から、4900円というきっかけで当店を選んでくださったこと。その奇跡に、心からの感謝を込めて、深いお辞儀をしていますか?「ありがとうございます」という言葉に、本当の気持ちは乗っていますか?
「4900円以上の感動」を届ける努力をしていますか?
「どうせ体験だけ」と手を抜くのではなく、「この4900円で、お客様の人生を変えるきっかけを作るんだ!」という気概を持って、お出迎えからお見送りまで、持てる力の全てを注いでいますか?
【まとめ】
「体験だけのお客様」など、最初から存在しません。
いるのはただ、「もっとキレイになりたい」と、勇気を出して一歩を踏み出してくださった、未来のお客様だけです。
私たちが「色眼鏡」を外し、一人ひとりのお客様が持つ「もっと」という願いに、心からの関心を寄せること。
「どうなりたいですか?」「どうなれたら、最高に嬉しいですか?」と、お客様の理想の未来を一緒に描き、4900円以上の感動を提供しようと努力すること。
その真摯な姿勢こそが、お客様の心を動かし、「このサロンなら、私の『もっと』を叶えてくれるかもしれない」という信頼に繋がるのです。
テクニックの前に、まずは私たちの「あり方」から。ぜひ一度、見つめ直してみませんか。