部下育成。「伝え方」で解決できるかも?

店長(リーダー)の大切な仕事は、大きく分けて2つ
一つは「売上(価値提供)」
そして、もう一つが「人材育成(人育て)」ですね。
売上を作るのは得意でも、「人を育てる」ことに難しさを感じている…そんな方も多いのではないでしょうか?
「良かれと思って指導したのに、部下のモチベーションを下げてしまった…」
「大切なことだからこそ、厳しく注意したら、関係がギクシャクしてしまった…」
そんな経験から、部下に何かを伝えること自体に、臆病になっていませんか?
でも、ご安心ください。
部下の心を動かす「伝え方」は、練習すれば誰でも身につけられる「技術」なのです。
今日は、あなたと部下の関係を劇的に改善し、サロン全体の成長を加速させるコミュニケーションの技術、「アサーション」についてお伝えします。
【あなたの「伝え方」、どのタイプ?リーダーが陥りがちな3つの罠】
部下に何かを伝える時、私たちは無意識に、3つのタイプのいずれかに偏りがちです。
あなたは、どのタイプに近いでしょうか?
罠1:「嫌われたらどうしよう…」と、自分を抑えすぎてしまう【非主張的タイプ】
部下にどう思われるかを気にするあまり、本当に伝えたいことを言えず、遠回しな表現になったり、結局何も言えなかったりする。
罠2:「私が正しい!勝たなきゃ!」と、相手を言い負かそうとする【攻撃的タイプ】
自分の正しさを主張し、相手の意見を聞かずに、強い口調で指導してしまう。部下は萎縮し、反発心を抱くだけです。
罠3:「どうせ言っても無駄だ…」と、最初から諦めてしまう【非主張的タイプ】
過去の経験から、「この子に言っても響かない」と決めつけ、伝える努力そのものを放棄してしまう。
どれも、繁盛サロンに不可欠な「スタッフ全員の底上げ」を妨げてしまう、非常にもったいないコミュニケーションです。
だから、伝えることを諦めないでください。
【相手も自分も大切にする、魔法の伝え方「アサーション」4ステップ】
アサーションとは、相手のことも、自分のことも尊重しながら、誠実に、率直に、対等に、自分の意見や気持ちを伝えるコミュニケーションスキルです。
この4つのステップを意識するだけで、あなたの言葉は、部下の心にスッと届くようになります。
ミスの指摘(例:カルテの記入漏れ)
ありがちなNG例
また間違えて!何度言えばわかるの?!」
これでは、部下はただただ萎縮し、「なぜミスをしたのか」「どうすれば改善できるか」を考える機会を失ってしまいます。
心を動かすOK例(アサーションの4ステップ)
①【事実】を伝える(客観的に、感情を入れずに)
「〇〇さん、昨日の△△様のカルテに、施術内容の記録漏れがありました。」
②【自分の気持ち】+【リクエスト(お願い)】を伝える("私"を主語に)
私は、お客様の情報を正確に残すことを大切にしているので、次回からは、記入後にダブルチェックをお願いしたいです。」
③【理由】を伝える(なぜ、そうしてほしいのか)
「なぜなら、この記録は、次回の担当者が最高の施術を提供するために、直接繋がる、とても大事な情報だからです。」
④【相手への問いかけ】で、考えてもらう。
「〇〇さんはどうすれば、記録漏れをなくせると思う?」
「一緒に考えてみようか?」
どうでしょう?
同じミスへの指摘でも、受け取る側の気持ちは全く違うと思いませんか?
【信頼関係という「土台」を忘れないで~魔法の枕詞「承認」~】
ただし、このアサーションも、あなたと部下の間に信頼関係という土台があってこそ、最大限の効果を発揮します。
厳しいことを伝える前に、まずは魔法の枕詞である「承認」の言葉をたくさんプレゼントしましょう。
パターン1:あなたメッセージ承認(Youメッセージ)
相手そのものを認める言葉。「〇〇さんの笑顔は、お客様を安心させる力があるよね」「仕事への向き合い方、本当に真面目だよね」
パターン2:私メッセージ承認(Iメッセージ)
相手の行動によって、自分がどう感じたかを伝える。「〇〇さんが先回りして準備してくれて、私はすごく助かったよ、ありがとう!」
パターン3:相手目線から私メッセージ承認
相手の状況を理解した上で、自分の気持ちを伝える。「限られた時間の中で、あれだけの指名をこなしていて、私は本当に尊敬します」
【まとめ】
部下育成とは、部下を変えようとすることではありません。
私たちの「伝え方」を変えることで、部下の中に眠っている「変わりたい」という気持ちを、引き出してあげるお手伝いをすること
アサーションという技術と、承認という愛情。
この2つを武器に、部下との間に揺るぎない信頼関係を築き、スタッフ全員が輝く、最高のチームを創り上げていくことができたら良くないですか?
この効果たるや、一度トライしてみてください