研修講師・美容家 渡辺ゆきよ オフィシャルサイト

 

お客様の「検討します」は断り文句じゃない!
「お願いします」に変える魔法のカウンセリング術。

 

 

プレカウンセリングでお客様の悩みに共感し、体験中はお客様もリラックスして「これ、いいかも!」と手応えを感じていた。

 

それなのに、アフターカウンセリングでコースのご提案をした途端、お客様の口から出た言葉は「…少し、検討します」。

「あんなに良い雰囲気だったのに、なぜ?」「何がいけなかったんだろう…」

 

そんな風に、肩を落とした経験はありませんか?

 

多くの方が、この「検討します」を「断り文句」や「反論」と捉え、苦手意識を持っているかもしれません。しかし、実はその言葉の裏には、全く違う心理が隠れていることが多いのです。

 

今回は、お客様の「検討します」の本当の理由、そして「お願いします」変える対応術について迫りましょう!

 

【なぜ?お客様は最後に「検討します」と言うのか~脳のストレス反応~】

結論から言うと、お客様の「検討します」は、ご提案内容への不満ではなく、多くの場合、「お金を使う」という行為に対して脳が自然に感じる「ストレス」への防御反応なのです。その時に出てくる便利な言葉が「検討します」なのです。

 

 

【「検討します」は、あなたへの拒絶ではない!】

ここからが、今日私が一番お伝えしたいことです。

 

多くのがんばり屋さんのエステティシャンが、この「検討します」という一言で、「私の提案が悪かったんだ…」「私自身が否定されたんだ…」と深く落ち込み、自信を失ってしまいます。

 

でも、それは大きな間違いです!


お客様は、決してあなたやあなたの提案を拒否しているのではありません。ただ、脳が一時的に「支出」というストレスに反応し、ブレーキをかけているだけなのです。

 

私はよく研修でこうお伝えしています。
お客様の「検討します」は、「あなたの肩についた、ちょっとした埃のようなもの」だと。


埃は、払えば落ちますよね?
それと同じで、お客様の脳が感じている一時的なストレスも、私たちがプロとして、愛を持ってそっと払って差し上げれば良いのです。

 

 

【私たちの使命を思い出して!諦めない勇気と、もう一歩の提案】

 

もし、お客様の「検討します」という言葉に、私たちが「承知しました」とあっさり引き下がってしまったら、どうなるでしょう?


お客様は、せっかく芽生えた「キレイになりたい」という気持ちに蓋をしてしまい、結局、理想の自分を叶えるチャンスを失ってしまうかもしれません。

 

お客様を理想の状態に導くことこそ、私たちプロの使命です。


お客様が綺麗になるお手伝いを私たちが諦めてしまったら、誰がお客様の未来を輝かせることができるでしょうか?

だからこそ、私たちは「検討します」という言葉を恐れてはいけません。


お客様の「脳のストレス」という埃を払うために、もう一度、自信と誇りを持って、お客様にとって最高のプランを提案する勇気が必要なのです。

 

では、具体的にどうすれば良いのか?そのステップがこちらです。

 

 

【「検討します」を「お願いします」に変える!プロの対応4ステップ】

 

ステップ1:まずは「共感」慌てず、笑顔で受け止める

共感「ご検討いただき、ありがとうございます。もちろんです、〇〇様にとって大切なお身体のことですし、決して安いお買い物ではありませんものね。どうぞ、じっくりご検討ください。」

 

ポイント: まずはお客様の気持ちを全面的に受け止め、「あなたの気持ちを理解していますよ」という安心感を与えます。ここで心の壁を取り払うことが、次への第一歩です。

 

 

ステップ2:再び「理想の未来」に焦点を当てる

「お金」というストレスから、再び「キレイになる」というワクワクする未来へお客様の意識を引き戻します。

 

声かけ例: 「ちなみに、先ほどカウンセリングで『△△のようになって、□□なことをしてみたい』とお話しされていましたが、その理想の姿を想像すると、本当に素敵ですよね!」

 

ポイント: お客様がご自身の言葉で語った「なりたい姿」を思い出し、その感動を共有することで、お金のストレスを乗り越えるためのモチベーションを高めます。

 

 

ステップ3:隠れた「本当の不安」を優しく引き出す

「検討します」の裏には、お金以外の小さな不安が隠れていることもあります。それを優しく探り、解消するお手伝いをします。

 

声かけ例:「施術そのものはお気に召していただけましたでしょうか?」→「はい」

 

「今いちばん何をお考えでいらっしゃいますか?お差し支えなければ、今後のご提案の参考にさせていただきたいのです。〇〇様が気になる点についてお聞かせいただけますでしょうか?何かお手伝いできることがありませんでしょうか?

 

 

ポイント: 質問の形で、お客様が何に引っかかっているのかを具体化するお手伝いをします。決して詰問口調にならないよう、優しい口調で。

 

 

ステップ4:不安に対する「解決策」を具体的に提示する

お客様の不安が明確になったら、それに対する解決策を2者択一や具体的な質問をして、一緒に解決していきます。

 

例:

(料金が不安) 「もしスタートされる場合、お支払い方法はどういった方法をお考えでしょうか?月々払いが良いというお客様が多いです。一方、クレジットカードや現金一括をご希望されるお客様もいらっしゃいます。どちらかといえばどちらがいいかなーと思われますか?」

お客様のストレスの低いお支払い方法を一緒に考えていく。

 

(効果が不安) 再び、どこがどのようになることが理想であることを確認し、ゴールに向けてのステップ(階段)を症例写真やデータなどをご覧いただきながら、ご説明する。

 

(通えるか不安) 「お忙しい〇〇様のために、ご予約の変更や振替も柔軟に対応させていただきますので、ご安心ください。」

何よりもスタートしさえすれば、必ずキレイになっていく、理想に近づいていかれる。スタートしなければ、ずっとお悩みになるでしょうし、何より私たち女性は年齢を重ねていくことで、悩みは増えていくことを一緒に考えていく。

 

ポイント: お客様の不安を一つひとつ丁寧に取り除き、「これなら私にもできるかも」という安心感を持っていただきます。

 

 

【まとめ】

お客様の「検討します」は、あなたへの拒絶ではありません。理想の自分に変わりたい気持ちと、お金を使うことへのストレスとの間で揺れ動いている、お客様の「心のサイン」であり、「肩についた埃」なのです。

 

だからこそ、「反論処理」という考え方は捨てましょう。私たちは、お客様と戦うのではありません。お客様の隣に座り、理想の未来へ進むための不安という埃を、自信と愛情を持って、そっと払って差し上げるサポーターなのです。


その「諦めない姿勢」と「もう一歩踏み出す勇気」こそが、お客様からの深い信頼を生み、「あなたに全てお任せしたい」という最高の言葉を引き出す鍵となるのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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