クライアント様からの報告に、
涙が止まらなかった理由

先日、研修講師としてこれ以上ないほど嬉しいご報告をいただき、思わず涙が溢れてしまいました。それは、あるクライアントサロンのオーナー様から伺った、新人スタッフさんとの1on1ミーティングでのお話です。
今日は、その感動的なエピソードを皆様にも共有させてください。このお話の中には、お客様から深く愛され、スタッフが生き生きと輝くサロンを創り上げるための、非常に大切なヒントが隠されています。
【あるオーナーからの報告~感動の1on1ミーティング~】
そのオーナー様は、私の研修でお伝えしている「お客様に好かれる6つの方法」の一つ、「誠実な関心を寄せる」ということを、常に意識し、サロン全体で実践してくださっていました。
オーナー様は、入社2ヶ月と6ヶ月の新人スタッフさんとの1on1の時間を設けました。
さて、オーナー様がその1on1で、どんなテーマを投げかけたと思いますか?
通常、1on1というと「何か困っていることはない?」「仕事には慣れた?」といった、課題や不安に焦点を当てがちです。しかし、そのオーナー様が選んだテーマは、全く違うものでした。
「5分間でお客様の名前を15人、フルネームで言ってみよう」
私はこのテーマを聞いただけで、そのオーナー様の視点の高さと、お客様への深い愛情に胸を打たれました。矢印が、常にお客様に向いているのです。
そして、感動のクライマックスが訪れます。
二人の新人スタッフさんは、なんと、スラスラと15名のお客様のお名前をフルネームで言い当てたそうです。
しかし、感動はそれだけでは終わりませんでした。
彼女たちは、お名前だけでなく、そのお客様のご家族構成や、お仕事の内容、最近ハマっていること、その方のちょっとした癖や好みまで、まるでそのお客様一人ひとりの大切な物語を語るように、楽しそうに話してくれたというのです。
【私が涙した、2つの理由】
このご報告を聞いて、私の涙腺は崩壊しました。
その涙には、2つの大きな感動が込められています。
一つは、オーナー様の「矢印」が、常にお客様に向いていたことです。スタッフの悩みを聞くのではなく、「どれだけお客様に関心を持てているか」を共に確認する場を設けたこと。そのリーダーシップが、何よりも尊いと感じました。
そしてもう一つは、入社間もない新人スタッフさんの心に、すでに「誠実な関心」という種が芽吹き、力強く育っていたことです。彼女たちは、ただ業務としてお客様の名前を覚えたのではありません。心からお客様一人ひとりに興味を持ち、その方の人生の物語に触れようとしていたのです。
私が研修でお伝えしていることが、単なるテクニックではなく、サロンの「文化」として、彼女たちの血肉となり、当たり前の行動として根付き始めている…。その事実が、たまらなく嬉しかったのです。
【あなたのサロンでも、試してみませんか?】
このコラムを読んでくださっているサロンの皆様。
ぜひ、あなたのサロンでも試してみてください。これは、スタッフを試すためのテストではありません。サロンの「お客様への愛情度」を測る、最高のバロメーターになります。
「〇〇さん、お客様のこと、そんなに見てくれていたんだね!ありがとう!」
そんな発見と称賛が、スタッフのモチベーションをさらに高めるはずです。
お客様の情報は、単なるデータではありません。一人ひとりのかけがえのない物語です。
その物語に、スタッフ全員が心を寄せること。
それこそが、お客様が「このサロンは、私のことを本当に大切にしてくれている」と心から感じ、離れられなくなる理由そのものなのです。